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映画は世界を再設定させるための装置で、人生を変えるほど大きな力はないと。キム・ギドクのエッセイより。

その通りだと思う。本も映画も、何もかも自分がそれを知る前と知った後でわたしがいかに何も知らなかったかを思い知らされる。そして同時に恥ずかしさを感じる。無知と白痴は違うものだけれど似通っていて、長く生きることの特権は、1日も長く何かを知ることができること、だと思う。個人的な意見だけれど。若い時はそういうことで、悩みが尽きなくてとにかく本を読もうとして映画を観た。本は太宰治三島由紀夫とか今思うと背伸びのようでほんとうに恥ずかしくて、今の若い子でも18-20くらいの子がそのような著者の本を読み漁っていたりすると同じ感情が蘇ってくる。